オレンジスパイニクラブの楽曲『キンモクセイ』
音楽配信サービスでは上位に位置し続け、公式MVも再生回数600万回越え。
アプリ【TicTok】で使用されていたことで更に広まった楽曲でもあります。
今回は、当楽曲について歌詞を解釈していきたいと思います!
楽曲について
2018年12月7日にYouTubeでMVが公開され、公開1年半ほどで再生回数は600万回を突破!
YouTubeのチャンネル登録者数は4.5万人と、知る人ぞ知るバンドというイメージ。
しかしながら、この楽曲の爆発的なヒットで新規のファンも増えたのではないでしょうか。
そして、2019年1月20日に発売された1stシングル【敏感少女】の収録曲でもあります。
2019年には下北沢 DaisyBar 公演をソールドアウトさせ、着実に人気を博していく彼ら。
来たる2020年には、1stミニアルバム【イラつくときはいつだって】をリリースしました。
こちらにも同曲『キンモクセイ』が収録されており、人気楽曲を総まとめすることが出来ます。
歌詞を解釈!
ここからは、オレンジスパイニクラブ/キンモクセイの歌詞を解釈していきます。
※以下の解釈はあくまでも筆者の主観に基づいて書かれたものであることをご理解の上お読みください。
タイトル『キンモクセイ』の意味とは?
秋になるとどこからともなく香ってくる金木犀。
そんな金木犀の花言葉には『謙虚』『初恋』という意味合いがあります。
【1番】君を想う奥ゆかしいリリック
溜まりに溜まって、また迷惑かけて
無邪気が過ぎた僕を叱ってキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
冒頭から、大人になれない自分に対してやるせなさを抱いている姿が描かれています。
『無邪気が過ぎた』と自分の行いを形容している主人公。
ポイント
『無邪気』=素直さがあり、可愛らしいイメージ
そこには、自分の醜態を『無邪気』という言葉でオブラートに包み、更に受け身な態度を取っているように感じられます。
その姿からは、またこの先も同じ過ちを繰り返すのではないかという青二才的な状況に微笑ましさすら感じられるフレーズです。
ああでもないこうでもない
君に愚痴吐いて生き間に合ってる
坂道の途中でぶちまけたサイダー
襟をつまんで ゆらしてる
生ぬるい風で汗は乾いていくキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
金木犀の花言葉から想像できるように、楽曲を通して描かれているのは1つの恋では無いでしょうか。
現状が思い通りにならない鬱憤を抱えながら、一夏の空気を飲み干している主人公。
その中で、君がいることが「生の継続」に繋がるほど偉大であるといっています。
歌詞中にある『ぶちまけたサイダー』は、爽やかな夏の情景と自身の想いが爆発する様が見事に比喩されています。
どこか凝り固まった想いも、夏の時間と共に過ぎ去っていく。
夏の終わりを横目に、晴れ切らない心と募る焦燥感が主人公を飲み込んでいきます。
信号のない十字路 2人で話した
日が暮れるくらい あきれるくらい
信号のない十字路
君は反対方向を見ていた
ずっと見ていたキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
『信号のない十字路』から想起できるのは、田舎の解放的な土地。
まるで世界に2人だけかのような空間で、たわいもない会話から愚痴まで散々と話し続けている2人の状況が目に映ります。
そして、ここで綴られている『反対方向』というフレーズに注目したいと思います。
この時点では、2人は恋人同士ではなく近くにいるのに背中合わせの状態だということを表しているのではないでしょうか。
すぐ傍にあるはずのものが掴めないもどかしさが込められています。
やっぱビビッときてるよ
君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりの初夏の気温は
気持ちをとっくにのせてた
最高あんた最高
グッときた心臓ぱんっと割れるキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
君への溢れんばかりの想いが綴られている奥ゆかしいリリックです。
アロマティックで多幸感に包まれる金木犀の香りを意識している様。
続く『夏の終わりの初夏の気温』というフレーズを見ていきます。
ここから読み取れることは、君と出会った日が夏の始めだったということではないでしょうか。
そこから時は走り去るように流れていき、秋が顔を見せている今日日。
それでもこの想いはあの夏の始まりのままだといっているのです。
この楽曲から通して感じられるのはひたすらに夏の情景です。
しかしながら、タイトルが秋の花である金木犀となっているのは、季節が移り変わっても君を想い続けるという率直な意思が垣間見えてきます。
【2番】
前髪で隠さないで
君はいつも言う
目つきの悪い僕の目 みるのは少し斜め
ゴミで溢れた部屋で思った
握ってたいのはスマホじゃない
あなたの右手だキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
コメント欄やSNSで共感が多かった以下のフレーズ。
『握ってたいのはスマホじゃない、あなたの右手だ』
そこには、君と会いたくてたまらない
肌で感じたいという今にもはち切れそうなほどの恋情が込められているのです。
そして、ここでは主人公のマイナスな面が描写されています。
『目つきの悪い目』『ゴミで溢れた部屋』
冒頭から綴られていた不満を募らせている心。
まるで死んでいる状況のような日々でも、
あなたの存在が生きる希望になるといっているのではないでしょうか。
ひとりの部屋でただあなたを想い憂う主人公の背中が見えてきます。
言う事は単純だけど
今じゃ出来てるアイコンタクト
体温すらも一目で分かる
夏の終わりが寂しいなんては
とっくのとっくに消えてた
最低すら最高
ギュッとなる心臓パッと晴れるキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
ここで謳われているのは、一緒にいる時間が増えた2人の情景。
多くは語らずとも分かり合えるその関係を愛おしんでいるのです。
続いて綴られているリリック『最低すら最高』
どんな状況であっても、あなたを前にかなうものはないのです。
自分の現状がどうでもよくなるほどに【誰かを想う力】は偉大であるのです。
ハルが酔ってみているような
黄色っぽい映画のその先を
君の歩いたスピードを
思い褪せて焦っていく空キンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
『黄色っぽい映画のその先』というフレーズについて見ていきます。
ポイント
秋が過ぎ去り季節が巡っていく様の比喩
あなたと出会ったことで、日常に色が付き日々の速度も加速。
その足跡を振り返り、思い出の数に幸福感を覚えつつも、その間にも過ぎ去っていく現在に対して焦燥感を抱いているのではないでしょうか。
何かを成し遂げないといけない・君を幸せにしたいという漠然とした想いが主人公を埋め尽くすのです。
やっぱビビッときてるよ
君のイメージ金木犀よ
香りまで妄想しちゃうなんてバカね
夏の終わりの初夏の気温は
気持ちを とっくにのせてた
最高あんた最高
グッときた心臓弾け飛んだキンモクセイ/作詞:スズキナオト 作曲:スズキナオト
様々な憂いと純粋な多幸感に包まれている主人公。
夏を加速させたまま、これからも君と日々を紡いでいくのでしょう。
季節のエモーショナルな情景を肌で感じられるような楽曲でした!
まさに夏の終わりに大切な人を思い浮かべながら聞きたくなりますね。
素晴らしい楽曲をありがとうございました!
終わりに
いかがでしたでしょうか。
オレンジスパイニクラブの楽曲『キンモクセイ』について歌詞を解釈していきました!
人気出ることも納得のエモーショナルな1曲。
夏の田舎で自転車をこぎながら聴きたくなったのは筆者だけでしょうか…笑